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「きょうだい」は不思議で深いもの

2018-03-05

 ピョンチャンオリンピックが終わりました。

 ジャンプを始め、フィギュアスケート、スピードスケート、カーリングと、それぞれにドラマがありました。中でも注目を引いた選手として、スピードスケートの高木姉妹がおられます。姉妹で金メダル3個、銀1個、銅1個と、輝かしい成績でした。ただ注目を浴びたのは、お二人のキャラクターの差です。ボーイッシュで天真爛漫な姉の那菜さん、落ち着いてマイペースの妹、美帆さん。この二人は、仲が良いながらもお互いに競い合ってきました。このライバル関係は、姉妹ならではの濃密な関係であったようです。

  さて、いろいろな企業を訪問し、社長や幹部のお話を聴いていると、きょうだい(兄弟姉妹)で経営に携わっているケースがかなりあります。その関係もさまざまで、職人気質で現場にこもる兄と対外コミュニケーションが得意で営業担当の弟、のんびりした社長の兄と危機感の強い専務の妹、社長の兄は営業担当で事業拡大志向、弟は経理や経営全般の緻密な管理が得意で兄のブレーキ役、といった具合です。これが更に3人きょうだいになったり、仲の良し悪しという要素が加わると、経営へ及ぼす影響もより複雑になります。

 私もきょうだいがいるので、その独特の距離感はわかるのですが、離れるに離れられない、また一旦ケンカをすると修復が難しいなど、ある意味厄介な面もあります。またそれぞれに配偶者ができて、その意見に左右されることもあり、例えば自社株をきょうだいで分割して所有する場合、お互いの仲が悪い為に事業承継やM&Aの際に集結できず、困っている会社もあります。

 しかし適度な距離感や役割分担の下で、お互いの歯車がうまくかみ合れば、これほど力強い味方はいません。経営者の「きょうだい」に関して、人数、性別、年代、年齢差などによる相性や相乗効果、適した事業のタイプなどについては、もっと研究が進んでも良いのではないかと考えています。この分野については、私も思うところがあるので、今後も折に触れて言及したいと思います。

 

 

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