「中小企業の事業承継は喫緊の課題」~国会中継から
2018-03-02
現在、国会で参院予算委員会が開催されており、今日は午前中、NHKで観ておりました。
今朝の冒頭、「中小企業の事業承継が進んでいない」という件について、世耕経済産業大臣に対する質疑が行われていました。今後10年間で経営者が年齢70歳を超える中小・小規模事業者は245万社、うち約半数の127万社は後継者が未定であり、このまま放置すると、10年間の累計で650万人の雇用、22兆円のGDPが失われる、との試算が紹介されました。(現在の中小企業は全国で約380万社ですから、うち64%が今後経営者が70歳を超え、33%が後継者未定ということになります)
また、特に小規模事業者は、過疎地域で重要な生活サービス(小売店、ガソリンスタンドなど)を担っているケースが多く、単に事業が成り立たないから廃業してもよい、というものではないようです。
大臣の答弁では、ざっと下記の施策が述べられました。
- 事業承継を促進する税制改革
今年4月から、事業承継税制を拡充する。当税制は10年間前からあったが、これまで使用されたのは2,000社のみ。今回は相続税の課税ルールを変更するなどして、「使い勝手の良い」制度へ変更する。 - 事業承継の重要性を気付かせる仕組みづくり
経営者に後継者選定・育成の必要性に気づき、支援する仕組みとして、事業承継ネットワーク(地域の支援機関が結集)の構築、事業引継ぎ支援センター(企業M&Aにおける売り手と買い手のマッチング)や相談窓口の活動を強化する。また特に、中小・小規模事業者にとって身近な金融機関・税理士・商工会には積極的に関与してもらう。 - 生産性向上の為の投資を促す固定資産税減免の特例
集中投資期間の3年間限定だが、市町村の判断で投資した設備に対する固定資産税を減免する制度を実施し、生産性向上を目指す設備の投資を促進する。先日、平成29年度の補正予算が成立し、補助金などの中小企業支援施策が決まりましたが、加えて今後は事業承継に向けた支援が加速していく見込みです。
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